キャンプで一晩過ごすなら、天体観測のアクティビティをしてみるのがおすすめです。
天体観測ではただ星空を眺めるだけでなく、星座の位置や肉眼で見られない星なども観察できます。
今回は、キャンプで天体観測を楽しみたい方に、その魅力と準備すべきことについてご紹介します。
せっかくキャンプに出掛けるなら、星空までしっかりと堪能したいという方はぜひ参考にしてみてください。
■キャンプで味わう天体観測の魅力
初めて天体観測をするという方に、まずはその魅力について解説していきましょう。
・静かに星空を眺めてリラックス
キャンプだとみんなでワイワイ食事やアクティビティを楽しむものです。
しかし、夜は周りの人の迷惑にならないよう、静かに過ごすことがマナーとなっています。
「静かに過ごさないといけないけど、もう少しキャンプを満喫したい…」という時におすすめなのが、天体観測です。
キャンプ場は周りに高い建物が少ないため、普段家の窓から眺める星空よりも広く感じられます。
特に標高が高いキャンプ場だとより一層綺麗な星空が見られます。
星空を静かに眺めながら、宇宙の大きさに浸るだけでも心はリラックスできるでしょう。
・双眼鏡や望遠鏡があれば本格的な天体観測も楽しめる!
ただ星空を眺めるだけでも良いですが、より近くで星を見たい方には双眼鏡や望遠鏡の準備がおすすめです。
望遠鏡を準備するのが難しければ、双眼鏡を準備すると良いでしょう。
双眼鏡なら天体観測の他にも、バードウォッチングなどに活用できます。
双眼鏡や望遠鏡があれば、流れ星を見つけやすくなったり、月をより間近で観察したりすることもできます。
また、場合によっては人工衛星を探すこともできるでしょう。
子どもと一緒に人工衛星や流れ星を探せば、楽しい思い出にもなるはずです。
■季節で見える星座は異なる!
季節によって見える星座は異なります。
キャンプで天体観測を楽しむ前に、どんな星座が見られるのか知っておきましょう。
・春に見られる星座
3~5月の春頃に見られる星座で特に有名なのは、北斗七星です。
北斗七星はおおぐま座の一部であり、熊の背中からしっぽに該当する部分となります。
おおぐま座は全天88個ある星座の中でも3番目に大きな星座になるため、北斗七星も見つけやすいでしょう。
また、おおぐま座の近くには北極星があり、その北極星はこぐま座の一部でもあります。
おおぐま座とこぐま座の親子が揃う姿をぜひ天体観測で見つけてみましょう。
・夏に見られる星座
6~8月の夏頃に見られる星座の代表格として、さそり座が挙げられます。
さそり座は南の空の低い位置にあり、少し目立たないですが形状は分かりやすいです。
さそり座を見つける時のポイントとして、アンタレスという星を目印に探してみましょう。
アンタレスは1等星で光が強く、さらに赤い色をしているのが特徴です。
アンタレスはさそり座のちょうど心臓にあたる部分にあることから、アンタレスが見つかればさそり座の全体も見えやすくなるでしょう。
また、夏の夜空にはこと座の1等星であるベガやわし座の1等星アルタイル、さらにはくちょう座の1等星デネブで、「夏の大三角」を見ることができます。
いずれも1等星でひときわ輝いている星なので、双眼鏡や望遠鏡がなくても見つけやすくなっています。
・秋に見られる星座
9~11月の秋頃に見られる星座として、アンドロメダ座が挙げられます。
アンドロメダ座はギリシャ神話に登場するアンドロメダ姫をかたどった星座で、2等星のアルフェラッツがアンドロメダ座の頭に位置しており、さらに足元には2等星アルマクが輝いています。
アンドロメダ座が見つかると、その少し上にぼんやりと霞んでいるように見える場所があります。
これは「アンドロメダ銀河」と呼ばれるものです。
気候などの条件が揃えば肉眼でも確認できますが、確実にアンドロメダ銀河を見つけたい場合には双眼鏡を活用しましょう。
・冬に見られる星座
12~2月の冬頃は、空気が澄んでいるため1年の中で最も天体観測がしやすい季節となっています。
そんな冬に見られる星座には、オリオン座があります。
オリオン座は2つの1等星と5つの2等星などで構成されていることから、肉眼でもわかりやすい星座となっています。
腰の部分には3つ星が並んでおり、その上に赤っぽく光る星が1等星のベテルギウス、3つ星の斜め下に青白く光っているのが1等星のリゲルです。
オリオン座のベテルギウスは、おおいぬ座のシリウスとこいぬ座のプロキオンで結ぶと「冬の大三角」になります。
さらに、リゲルと冬の1等星を6個つなげた形は「冬のダイヤモンド」と呼ばれています。
オリオン座や冬の大三角、冬のダイヤモンドを見つけると、他の星座も見つかりやすいです。
■天体観測をするために準備すべきこと
キャンプで天体観測をするなら、事前に準備しておきたいものもあります。
準備しておきたいのは、以下のアイテムです。
・望遠鏡
天体観測用に望遠鏡を購入するなら、子どもでも操作がしやすいものを選ぶのがおすすめです。
特に屈折式は構造がシンプルで、光軸の調節も必要ありません。
視界の安定性にも優れており、保管時の手入れも手間がかかりにくいものになっています。
反射式は暗い星までしっかりと観測できますが、内部の汚れ・光軸のズレなどに敏感で、定期的にメンテナンスが必要となってきます。
・双眼鏡
双眼鏡にも様々なタイプがあり、天体観測用の双眼鏡も販売されています。
双眼鏡を選ぶ時は倍率や対物レンズ口径、実視界のスペックをチェックしてみましょう。
双眼鏡の倍率は6~10倍がおすすめです。
あまりに倍率が高いと手ブレが起きやすくなります。
口径は30~50mmが一般的ですが、口径が大きければ大きいほど本体も重くなってしまうので注意が必要です。
実視界は視界の広さを表すものです。
視界が狭すぎると天体を捉えづらくなってしまうので、5°以上のものを選ぶようにしましょう。
・コンパス(方位磁石)
コンパスは星を探す時に、方角を正確に理解するためのアイテムです。
コンパスは100円ショップでも販売されており、手軽に購入できます。
・天体観測用のアプリまたは星座早見表
天体観測をしていると、どこに星座があるのかいまいち分かりづらい時もあるでしょう。
そんな時に活躍するのが、天体観測用のアプリや星座早見表です。
天体観測用のアプリや星座早見表があると、星座がどの方角に、どのような位置にあるのかを把握しやすくなります。
・赤いライト
赤いライトは明るすぎるライトを持って行ってしまうと目が暗さに順応しにくくなってしまい、星が見えづらくなる可能性もあるため、赤いライトを持って行くのがおすすめです。
もし赤いライトがなければ、懐中電灯などに赤いフィルムを貼っておきましょう。
赤いフィルムは使わなくなった暗記シートなどを活用すると便利です。
この他にも、チェアやレジャーシート、虫よけグッズなどを用意しておくと、快適に天体観測を楽しめます。
今回は、キャンプで天体観測を楽しみたい方に、その魅力と準備すべきことについてご紹介してきました。
季節によって見える星座が異なるため、どの季節にキャンプで訪れても違った星座の観察ができます。
特に冬のキャンプだと星が見えやすく、より綺麗な星空を眺めながら天体観測が楽しめるはずです。
ぜひ満天の星空を眺めつつ、星座や流れ星、月などを観測してみましょう。