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投資の利益だけで生活は可能?実現するための手段やポイントを解説

収入は仕事で得るのが基本ですが、投資だけで生活することに強い憧れを持つ人もいるでしょう。
そもそも投資の利益だけで生活は可能なのか、疑問に思う方は多いはずです。
結論から言えば、投資だけで生活することはできますが、それを実現するためには事前の準備が重要となってきます。
そこで今回は投資だけで生活できる可能性や実現するための方法などについて解説します。


■投資だけで生活することは本当に可能?

そもそも投資だけで本当に生活は可能なのでしょうか?
まずは、その実現性や実際に必要となる生活費の目安を見ていきましょう。


・投資の利益だけで生活は可能だが難しい

生活費をまかなえるほどの利益を毎月出せるのであれば、収入が投資の利益のみでも生活は可能です。
実際に投資の利益のみで生活できている投資家も存在します。
しかし、投資は甘い世界ではないため、実現性はそう高くありません。
投資は大きな利益を得られる可能性がある反面、元割れするほどの大きな損失を出してしまうことがあり、労働の対価として得られる給料と比べて安定性がありません。
プロの投資家でも損失を出すことがあるので、毎月損失を出さずに安定して運用していくのは非常に困難です。
そのリスクを理解してしっかり準備することができれば、投資のみで生活できるようになる可能性はあります。


・生活に必要な資金の目安

独身の場合、1ヶ月あたりの生活費は約16万円が平均とされています。
つまり収入源が投資のみとなれば、独身の人は16万円以上の利益を出し続けなければなりません。
年間にすれば192万円以上となりますが、貯金や緊急時に使える資金の貯蓄を考えると200万円以上は必要となるでしょう。
また、40歳で投資のみの生活を始め、寿命を90歳と仮定した場合、寿命を迎えるまでの期間は50年となります。
その間に必要となる生活費は、9,600万円です。
65歳以降は年金が受給されるので、資金的な負担は多少軽減されるでしょう。
しかし、充実した老後を過ごしたい人や家族の人数によってはさらに高額な資金が必要になり、それをまかなえるだけの利益を投資で得る必要があります。


■将来投資だけで生活するならFIREがおすすめ

将来的に投資だけで生活できるようになりたいのであれば、FIREを目指すのがおすすめです。
FIREの意味や種類についてご紹介しましょう。


・FIREとは

FIREは、以下2つの単語の頭文字を取った造語です。

◎Financial Independence(経済的自立)
◎Retire Early(早期退職)

資産運用によって不労所得を形成し、労働収入に頼らない人生設計を実現するための早期リタイアのことをFIREと呼びます。
一般的な早期リタイアは貯めた貯金や退職金などを切り崩し、年金が受給できるようになればそれを使って生活することになります。
安定した生活を実現するためには、リタイア前に十分な貯蓄が必要です。
しかし、FIREでは資産運用で利益を得て、一定の投資元本を減らさずに生活していくのが特徴です。
元々の資産を守りながら投資の運用益で生活していくので、従来の早期リタイアよりも少ない貯蓄で第二の人生を歩めるものとなっています。


・FIREの種類

FIREには、以下のスタイルが存在します。

◎リーンFIRE

早期リタイアして、投資で得た資金のみで生活する方法です。
一般的にFIREというとリーンFIREをイメージする人が多いでしょう。
ただし、この場合は裕福さを求める暮らしではないので、贅沢できなくても自由に過ごしたいという人に向いています。

◎ファットFIRE

生活費以外に趣味や贅沢品などに使う資金も投資の利益でまかなうというスタイルです。
裕福な生活ができる反面、膨大な資産が必要になるのでハードルの高いFIREになります。

◎サイドFIRE

投資の利益で生活費をまかないつつ、フリーランスで働きながら、趣味などに充てる資金を得る方法です。
投資のみの生活とは異なりますが、仕事の収入から私生活などで使える余裕資金を確保できることが魅力です。
万が一、投資が上手くいかない時も仕事の収入で生活費のカバーができ、ハードルの低いFIREと言えます。

バリスタFIRE

パートやアルバイトといった短時間の労働と投資で収入を得て生活する方法です。
正規雇用と比べて1日の労働時間が短く、自由に過ごす時間も確保できます。
社会保険に加入できる条件で働けば、社会保険料の負担を軽減することが可能です。


■FIREの実現に向けた準備・心構え

将来投資のみで生活するために、FIRE実現に向けた準備と心構えをご紹介します。

・年間支出総額の25倍で投資元本を確保する

FIREを成功させるためには、投資元本は年間支出総額の25倍分が必要と言われています。
総務省統計局が公表する2023年の家計調査報告によると、総世帯の消費支出の平均は1世帯あたり247,322円で、年間にすれば2,967,864円です。
年間支出総額を300万円と仮定した場合、早期リタイアまでに確保するべき投資元本は7,500万円という計算になります。
我が家の年間支出総額を確認して、どれくらいの準備資金が必要なのか明確にして、今からコツコツと準備していきましょう。

 

・生活費を投資元本の4~6%以内に抑える

FIREには、4%ルールというものがあります。
4%ルールとは、生活費を投資元本の4%以内にするというルールです。
FIREは元々アメリカで発祥した早期リタイア方法です。
アメリカの株式市場において株価と平均成長率と物価上昇率の差が4%になることが、このルールの元になっています。
米国株で投資を行う場合、生活費を4%以内に抑えることで、投資元本を維持できるというわけです。
しかし、日本ではインフレ率が異なることから4%ルールに縛る必要はないと考えられています。
そのため、資金を枯渇させずに生活するためには、投資元本の4~6%を目安に生活費を抑えると良いと言われています。


・投資の知識を身に付ける

FIREを成功させるためには、投資の正しい知識を身に付けることが大切です。
将来、投資が大事な収入源となるので、投資の専門知識がないと運用が上手くいかず、生活費を稼ぐどころではなくなってしまうでしょう。
例えば、株式投資の銘柄を比較するためには、株式収益率(PER)や株式純資産倍率(PBR)などの個別株価指標を理解する必要があります。
早期リタイアの実現に向けて投資の専門知識もしっかり身につけていきましょう。


・少額投資で経験を積む

早期リタイアをする前から投資をして経験を積むことが大切です。
投資を成功させるためには、ある程度慣れも必要になります。
書籍などで専門知識を養ったとしても、実践では思い通りにいかないことがよくあります。
しかし、実際に投資を行う中で利益が出るパターンや損失が出やすいパターンなどを掴むことができ、利益を出しやすくなります。
少額投資であれば少ない運用資金で始めることができ、もしも損失が出た場合もそのダメージを軽減することが可能です。
できるだけ早く少額投資を始めて、経験を積んで投資に慣れていきましょう。


・IFAの利用してみるのもおすすめ

IFA(資産運用アドバイザー)は、資産運用のプロです。
銀行や証券会社の営業方針に関係なく資産運用のアドバイスを受けることができ、長期的にサポートしてもらえます。
投資のみで生活できるようになりたいのであれば、専門家のアドバイスを受けながら投資する金融商品を決めるなどすると良いでしょう。

 


投資だけで生活することは簡単ではないものの、実現することは可能です。
ただし、しっかり退職後のライフプランを立てて、しっかり準備をしないと実現は厳しくなります。
投資の知識を身に付け、早期リタイア後にかかる生活費をイメージしながら、十分な投資元本を確保するようにしましょう。