忙しくて食事の時間を確保できない、ダイエットや健康に気遣った食事をしたいというニーズに応えて誕生したのが「完全食」です。
完全栄養食、完全栄養食品とも呼ばれる完全食は徐々に市場拡大を続け、一大ジャンルに成長しました。
そのなかで存在感を発揮しているのが株式会社COMPです。
どのような会社なのか、事業内容や商品展開、取締役社長を務める宮本善史氏について詳しく解説します。
■完全食とは?
様々なメーカーが参入し、賑わいを見せているのが完全食市場です。
完全食とは、1回の食事で1日に必要な栄養素をバランスよく摂れるのが特徴で、ビジネスマンやシステムエンジニアといった激務をこなす人たちに人気があります。
・完全食の定義
完全食は従来の栄養補助食品の類とは一線を画すものです。
厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」の必須栄養素をしっかりと補える製品が多く、これ一つで食事が完了するというものも。
そのうえ、時間をかけずにササッと食べられるので「手軽に食事を済ませたいが栄養の偏りが気になる」という人たちから支持を集めています。
・味や食感も向上している
完全食の市場拡大に大きく貢献したのがそのバリエーションです。
パンやパスタ、クッキーやグミ、ドリンクなど、好みや状況に応じて選べるほど種類が豊富です。
当初は栄養素を盛り込む技術が追い付かず、「ボソボソして飲み込みにくい」「独特な後味がして食べにくい」といった苦手意識を持つ人も多かったそう。
しかし飛躍的な技術の発達により通常の食品と遜色ない味や食感の完全食が増えています。
・ダイエット食としても注目されている
完全食は高い栄養価に反してカロリーや糖質が抑えられているのが特徴です。
このことから、ダイエット食としても注目されるようになりました。
どちらかといえば男性向けに展開されることの多かった完全食でしたが、女性も手に取りやすい商品展開がなされるようになります。
デザインやパッケージもシンプルで、一見すると完全食とはわからないようなものも多く、よりハードルが下がったことも市場拡大の要因の一つといえるでしょう。
■株式会社COMPは栄養食の開発を手掛けている
完全食の先駆け的存在なのが、株式会社COMPが手掛ける「COMP(コンプ)」です。
これ一つで手軽に健康的な食生活ができるため人気があります。
このCOMPを手掛けているのが株式会社COMPです。
・株式会社COMPとは?
株式会社COMPは完全食をつくるため、2015年に設立された会社です。
創業者である鈴木優太氏は元々研究者で、1秒でも長く仕事や趣味に費やしたいとの気持ちから食事を疎かにしてしまうことが多かったそう。
そんな偏った食生活を送っていた結果、体調を崩してしまい、食事の大切さを痛感したといいます。
そこから手軽で健康的な食生活を送る方法を探してみたものの、当時は手軽さと理想的な栄養を両立した製品がないことに気づき、「COMP」の開発に踏み切ったというのが株式会社COMP設立の経緯でした。
・COMPは理想的な完全食
理想的な食事を手軽に済ませられる製品をつくるという目的で設立された株式会社COMPは間もなく、完全食「COMP」を完成させます。
COMPには人に必要な六代栄養素である
◎たんぱく質
◎脂質
◎糖質
◎ビタミン
◎ミネラル
◎食物繊維
これらを理想的に配合した完全食です。
当初は、水や牛乳などに溶いて飲む粉末タイプと世界初となるグミタイプの2種類のみだったそう。
自社ECサイトでの販売をスタートさせると口コミを中心に売り上げが伸び、急成長を遂げました。
■株式会社COMPの特徴は?
完全食の先駆け的存在であるCOMPを開発した株式会社COMPには、他社にはない強みがあります。
それが設計力と開発力です。
・株式会社COMPの創業者は薬学のエキスパート
株式会社COMPの創業者である鈴木優太氏は2007年に東京理科大学理学部第一部を卒業後、東京大学大学院に進み、薬学の博士号を取得しています。
薬学のエキスパートである鈴木優太氏は栄養学にも明るく、世界と日本における必須栄養素の基準にズレがあることが懸念事項だったと語っています。
当時、日本の基準は世界基準に比べると30年ほど遅れていたそう。
これはつまり、COMPの栄養素の配合を国の基準に合わせてしまうと世界には通用しないということになります。
そこで取り組んだのが、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準(2015年版)」の枠組みを超えた最新の栄養学に基づいた製品の開発でした。
これにより大きくリニューアルしたCOMPが2018年に発売されます。
・考え方は現在も変わっていない
世界基準に歩調を合わせた製品開発をする、という考え方は今も健在で、株式会社COMPは社内に研究機能を持っています。
ここでは厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考とする独自の栄養基準を設けて製品開発を行っているとのこと。
緻密な栄養設計と基準にとどまらない付加価値、柔軟な発想を基に、高い開発力を発揮しているといいます。
完全食の完成度を高めるための設計にも力を入れています。
原料にこだわることはもちろん、細かな分析による糖類の分析、栄養価値を高める各主成分の含有量についても研究が行われ、計算しつくされた配合を導き出しているとのこと。
・アップデートし続けるCOMP
設立当初から主力製品として人気を博しているのが粉末タイプのCOMPです。
トータルバランスモデルの「COMP Powder TB Plain(プレーン)」は2015年に誕生してからアップデートし続け、2024年春の時点で製品バージョンは6.0にまで進化しました。
スタンダートモデルともいえるプレーンの他に糖質調整モデルや、砂糖不使用で炭酸を含まないエナジードリンク、アスリート向けのワークアウトバー、壊れやすい栄養素を損なわないノンベイクドなブロックタイプなど、バリエーションに富んだラインナップが魅力です。
■完全食「COMP」の豊富なラインナップ
自社内に研究機能を持つ株式会社COMPの強みはなんといっても厳密な設計による製品開発です。
完全食はもちろん、糖質制限食、エナジーバーなど、様々なニーズに応じた栄養食を企画・開発しています。
当初は自社ECサイトのみでの販売でしたが、今ではAmazon・楽天・Qoo10の公式ストアでも入手できるようになりました。
COMPの豊富なラインナップの一部をご紹介しましょう。
・COMPブロックずんだミルク
COMPの人気商品であるブロックタイプの新フレーバーです。
枝豆パウダー、アーモンド、全粉乳、イソマルトオリゴ糖がバランスよく配合され、ずんだミルクの味わいが楽しめます。
ブロックタイプには他に、ビターな香りが楽しめるアーモンドココアフレーバーがあります。
・COMPドリンク
パックから注いでそのまま飲めるドリンクタイプのCOMPです。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考にした栄養配合で、手軽に食事を済ませたい人にピッタリのアイテムです。
ドリンクタイプは原料の風味がダイレクトに伝わるものが多いですが、COMPのドリンクTBは豆乳のようななめらかな質感を実現しており、飲みやすいのが魅力です。
・COMPグミ
咀嚼性と携帯性、そして味覚的なおいしさを兼ね備えたグミタイプのCOMPです。
UHA味覚糖株式会社との共同開発にて実現。
完全食の魅力の一つである「手軽さ」をさらに追及したアイテムといえるでしょう。
・COMPアイス
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考にした栄養配合のアイスクリームタイプのCOMPです。
フレーバーはソイミルク風味で、一般的なアイスクリームとほぼかわらないそう。
健康価値と美味しさの共存を実現したとのこと。
■事業拡大に伴う経営体制の変化
順調に成長を続けていた株式会社COMPですが、2019年10月にFounderと新CEOの就任が発表されます。
内容は次の通り。
◎代表取締役 Founder:鈴木優太氏
◎取締役CEO:宮本善史氏
・社長人事の背景にあるものとは
完全食COMPが人気を博し、目覚ましい成長を続けてきた株式会社COMPは元々、少人数で運営していた会社でした。
急激な成長にプロダクトやブランド活動が追い付かず、問題や課題も出ていたとのこと。
これからも成長を続けるだろう完全食事業を安定したものにするためにも機能的・戦略的な経営環境を構築する必要があるとの判断により社長人事となったようです。
新CEOに就任した宮本善史氏は2018年に株式会社COMPへ入社しています。
宮本善史氏について、鈴木優太氏は「思考力と行動力を兼ね備えており、相互信頼を構築していく包容力がある人物」と評しており、CEO就任は鈴木優太氏の意向が強く反映したものといえるでしょう。
・2024年4月にはUHA味覚糖株式会社の完全子会社へ
新体制によりさらなる成長を目指す株式会社COMPは2024年4月、UHA味覚糖株式会社の完全子会社化となります。
株式会社COMPとUHA味覚糖株式会社は「COMPグミ」の共同開発もしており、2016年からの付き合いとのこと。
完全子会社化は、拡大を続ける完全食市場における強化を図るためだそう。
互いの強みを活かした製品の企画・開発が期待されています。
■株式会社COMPの会社情報
株式会社COMPの会社情報をみていきましょう。
・会社概要
◎社名:株式会社COMP
◎所在地:〒150-6139東京都渋谷区渋谷2丁目24番12号渋谷スクランブルスクエア東棟39F
◎URL:https://www.comp.jp/
◎代表:代表取締役 山田泰正(UHA味覚糖株式会社 代表取締役)
◎社長:取締役社長 宮本善史
◎設立:2015年10月13日
◎Facebook:https://www.facebook.com/comp.official
◎X(旧Twitter):https://x.com/comp_official
◎Instagram:https://www.instagram.com/comp_official/
・食べやすさや続けやすさを考えた製品づくり
完全食はその性質からどうしても食べにくさを感じやすい傾向があります。
COMPは食べやすさを考慮した製品づくりを徹底してきました。
ブロックタイプやバータイプはしっとりとした食感で食事代わりにもなる満足感の高さが好評です。
また、UHA味覚糖株式会社との共同開発にて誕生したグミタイプはクセのないフルーツミックス風味で、完全食が持つマイナスイメージを覆しました。
食べやすさや続けやすさに重点を置いた製品開発が、株式会社COMPの魅力の一つといえるでしょう。
■株式会社COMPの取締役社長は宮本善史
株式会社COMPの取締役社長を務めるのが宮本善史氏です。
どのような人物なのでしょうか。
・宮本善史氏の経歴
宮本善史氏が株式会社COMPへ入社したのは2018年です。
元々は総合広告代理店に勤務していたそう。
デジタル/制作を軸とした統合的コミュニケーションの戦略立案から実行、大規模プロジェクトのリードやマネジメント業務などを多数経験しているとのことです。
そんななかCOMPに出会い、入社に至ります。
・コンセプトや考え方に強く感動
宮本善史氏は株式会社COMPのコンセプトや、考え方についよく感動したことにより転職を決意したと語っています。
株式会社COMPには自社内に研究機能があり、手軽さと理想的な栄養を両立した製品づくりをする会社の姿勢に湧き上がる衝動を抑えることができなかったそうです。
総合広告代理店という大きな組織の中にいた宮本善史氏には、かなりの衝撃だったのでしょう。
■宮本善史はSNSをやっている?
宮本善史氏のプライベートについても調査しました。
しかし残念ながらSNSのアカウントなどは持っていないようです。
今回は完全食分野の先駆け的存在である「COMP」を手掛ける株式会社COMPについて、事業内容や製品の特長、取締役社長である宮本善史氏についてご紹介しました。
UHA味覚糖株式会社の完全子会社化となったことで画期的な新商品が期待できそうです。